皮膚炎・湿疹

皮膚炎

原因や症状に特徴により、色々な病名があります。

アトピー性皮膚炎

いくつもの原因が複雑に関わって引き起こされる病気で、以下のような特徴が見られます。

  1. この皮膚炎を引き起こす遺伝的な体質がある。
  2. 皮膚が乾燥傾向にある。
  3. 症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返す。(症状の寛解と増悪を繰り返す。)
  4. 痒みを伴い掻くことで悪化する。
  5. 様々な物質に対して、アレルギー反応を起こしやすい。
  6. 年齢によって皮膚炎の症状や出やすい部位が異なる。
  7. 子供のアトピー性皮膚炎は成長につれて症状が軽くなる傾向がある。

アトピー性皮膚炎は短期間で治る病気ではなく、症状をコントロールしながら気長につきあう事が必要です。
しかし適切な治療で症状が落ち着いた状態が維持されると、自然に治る事も期待できる疾患なので放置しない様にする事が大切です。

かぶれ【接触皮膚炎】

外界の刺激物質やアレルゲンとなる物質が皮膚に接触することによって皮膚に炎症を起こした状態で経過が急に発症する急性のものと、徐々に悪化していく慢性のものに分けられます。

おもな原因物質はシャンプー、リンス、化粧品、洗剤などの日用品、食物や植物、外用薬や湿布薬、医療品、ニッケル、コバルト、クロムなどの金属等様々です。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

皮膚が紫外線やカビ(真菌)などによって脂肪酸という物質に分解され、皮膚に刺激を与えたり、真菌に対する免疫反応で炎症を起こした状態。皮脂の多い頭皮、眉毛、耳、鼻のわき、脇の下、胸が好発部位です。頭皮の症状では、フケが目立つ(フケ症)様になり来院される方が多いです。

毛虫皮膚炎

多くはチャドクガという蛾の幼虫による皮膚炎です。幼虫の毛(毒針毛)が肌に触れたときの毒性分によるアレルギー反応で皮膚に炎症を起こしたもの。

そのため発症部位には毛虫の毛が直接肌に触れた所に生じる。(発症時期 5月から10月)

おむつ皮膚炎

尿や便が皮膚に接触した状態が続くとそれに含まれるアンモニアや細菌が皮膚に刺激を与え、皮膚炎を起こします。
オムツの素材そのものが原因となる事は比較的まれです。また、夏の暑い時期はおむつの中がむれるため、カンジタというカビ(真菌)が増え易く、この菌が皮膚炎(乳児寄生菌性紅斑)をおこすためおむつ皮膚炎との鑑別が必要です。
カンジタが原因の皮膚炎はおむつ皮膚炎と全く治療が異なるため皮膚科へ受診をおすすめします。

乾燥性皮膚炎

乾燥性皮膚炎は皮膚の水分が減少して乾燥を生じた結果、皮膚の表面が傷つき炎症を起こした状態。痒みを伴い、皮膚は魚のウロコのような状態になり、放置しておくとさらに痒みが強くなり掻くために赤くなっていきます。
湿疹になる手前の初期の状態(乾皮症)では皮膚の上に白く粉がふいたような状態になります。

湿疹

ある特徴的な病態を持つ皮膚病を表す総称であり、各人によって発症部位や症状が異なりますが痒みは多くの人で必発です。

手湿疹(手荒れ)

原因や症状から様々な病名がつけられています。原因は洗剤、ゴム手袋、髪染め液、シャンプー、消毒液、セメントなど手に触れる様々なものが要因となります。
また頻回の手洗いや水仕事によって手湿疹は生じ得ます。

主婦湿疹

※主婦に生じる手湿疹の別称。
(※家事や水仕事の多い)

皮脂欠乏性湿疹 (別名:乾燥性皮膚炎・皮脂欠乏性皮膚炎・乾皮症)

皮脂欠乏性湿疹(別名:乾燥性皮膚炎・乾皮症・皮脂欠乏性皮膚炎)は
皮膚の水分が減少して乾燥を生じた結果、皮膚の表面が傷つき炎症を起こした状態です。痒みを伴い、皮膚は魚のウロコのような状態になり、放置しておくとさらに痒みが強くなり掻くために赤くなっていきます。
湿疹になる手前の初期の状態(乾皮症)では皮膚の上に白く粉がふいたような状態になります。
空気が乾燥しはじめる秋からみられ冬に増加しますが、初夏になると自然に治っていく人が多いようです。比較的に女性より男性に多くみられます。

関連項目

皮膚炎・湿疹じんましん・痒疹・発疹角化症ニキビ薄毛・抜け毛やけどしみ(色素斑)・ほくろ・皮膚腫瘍口周りの皮膚疾患感染症